遺品の整理

昨日はカアさんの、衣服や装飾品などの遺品整理を娘と妹がした。二階は使用する事も無いので、遺品の整理など、する必要も無かったが、余り物が多くては後々困るという事らしい。

カアさんの友人が、むかし輸入品雑貨の販売店を始めて、展示会をしては売りつけられていた。有名なブランド品よりも高価なのに、何となく品のないデザインや色具合で、友人の審美眼での買いそろえだったようだ。悪く言えば悪趣味的な商品で、一番安い長財布を進められたが、数十万円にしては、品のないワニ皮製品で断った。それでもカアさんは何点かバックを買ったようだ。そんなバック類が幾つか未使用で出てきた。妹と娘の趣味は似てるらしく、結局保育園のバザーに出す事になったようだ。質屋でも聞いた事のないブランドで、引き取りはしないだろうという事で、値札だけでも売れるだろうと云う事らしい。むしろ日本製の、ありふれたバック類は使うようだ。

この友人から買わされた指輪も、カアさんの好きな緑のエメラルドだが、何となく大きいだけで品位が感じない。鑑定書もまとめてあったので、どの指輪のかも分からない。好きな色でも、デザインが気に入らなかったようで、これらも未使用状態だった。これらもバザーかな。

時々使用していたエメラルドの指輪は、結局下の子に渡す事になった。デザインも綺麗で品があり、大きなエメラルドの周りに、小さなダイヤが綺麗に並んでる。高価ではないだろうが、弟が結婚したら、母親の形見として渡せばいいと言っていた。石は小さいが、とても綺麗なデザインの指輪があり、それと合わせた2個はしまった。

一番気に成った、大粒黒真珠のネックレスとイヤリングだ。セットの指輪だけが見つかり、指輪は娘がもらう事になった。肝心なネックレスとイヤリングは、葬儀の時に使っていたので、実家にあるのかもしれない。そう思ったが、もう二度と会いたくもない、顔も見たくもない連中なので、その事は言わなかった。値段よりも、あの家と縁が切れる方が遙かに価値がある。

衣服に関しても、やはり二人の趣味とはかなり違うようで、秋になったらまた検討という事らしい。未使用の値札の付いてる物も多く、娘は自分には何も買ってくれなかったのにと、少し怒っていたようだ。これらの服も付き合いで購入した物で、普段着ている物は友人の仕立屋さんに頼んでいた。さりげないデザインだが、カアさんが気に入って頼んでいただけに、カアさんに似合っていた。カアさんが普段から着ていた物は残してもらう。下着や運動着なども、普段使用していた物は全て残してもらう事にした。

結局、片付いたような、片付かなかったような・・・。

 

40年も前だが、母が亡くなり、間もなく家が火事になり、遺品の整理も出来なかった。それでも桐のタンスというのは不思議で、桐箪笥の中だけは助かった。反物類や、娘や妹と同じ様に光り物が嫌いだった母は、装飾品の類はまとめてタンスの端にあった。消火の時の水で臭いが付き、どうなったのかは分からないが、何点かは着物好きな叔母達が引き取ったようだった。

それから20年くらいが過ぎて父が亡くなった。あまり自分のタンス類を開けさせる事もなかったが、カアさんも忙しくて父の身の回りの世話も出来なかったが、父が亡くなった後で遺品の整理をした。着る物にも興味の無かった父らしく、分けられるような物は何もなかった。

ほとんど父の物は廃棄として、トラックで積んで処理場に運んだ。あの時の事を思い出したが、あれほどの多くの衣服などの半分は、母の使っていた物だった。火災にも遭ったこんなゴミなど、まだ大事に持っていたのかと思ったものだ。ところが、今度はカアさんの遺品を整理しようとすると、未使用な物には興味はないが、カアさんが普段使っていた物や衣服は、高価な宝石よりも大事に思えて捨てられない。

入院してから、下着類などはまとめてタンスに押し込んでおいたが、それらを抱きしめてたら、気持ち悪いよなどと言われた。父の遺品の多くが、母の普段着だった事を思い出し、親子と夫婦とは全く違う事を感じる。母は47歳で亡くなった。結婚生活はわずかに20年くらいなものだが、それでも父にとっては大事な人だったのだろう。今になって、父の母に対する思いが良く分かる。カアさんとは余り仲が良くなかったと思えたが、子供達以上に大事な存在だった。カアさんの最も身近な衣服は、絶対に捨てたり出来ない。

ほとんど行く事の無くなった2階の部屋に行き、カアさんのタンスを開けてカアさんの服を眺め、タンスの中のカアさんの下着を握りしめてると、まだ何処かに生きているような気がしてくる。きっと父も同じ様な気持ちで、焼け残った母の物を大事に仕舞い込んでいたのだろう。

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